代表 吉川直子プロフィール

吉川 直子

株式会社シエーナ 代表取締役。
社会保険労務士事務所 シエーナ 代表。
社会保険労務士・(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。

新卒で入社したアパレルメーカーの倒産をきっかけに、専門スキルを習得する必要性を実感し24歳で未経験ながら労働保険事務組合(社会保険労務士事務所併設)に勤務。その後中小企業の人事労務管理、大企業のアウトソーシング業務等9年間の事務所勤務経験を経て2005年に独立。人材育成への関心から2003年よりコーチングのトレーニングを開始し(2005年(一財)生涯学習開発財団認定コーチ資格を取得)、あわせて中小企業経営者や士業の方を対象としたプロコーチとしても活動する。

その後「組織」へのコーチングアプローチに特化するためコーチング事業を法人化し、2011年株式会社シエーナを設立。1on1コーチングでは幹部社員や管理職の主体性を高めリーダーシップ力を高める支援を行っている。

現在は、株式会社シエーナにおいては、成長を目指す企業にコーチング、企業研修等を提供。また、社会保険労務士事務所シエーナでは、中小企業の人事労務管理のサポートを中心に活動中。プライベートでは1児の母。

商工会議所等講演・研修実績多数。著書に「社会保険・労働保険手続きインデックス(税務研究会)」「中小会社の人事・労務・人材活用図解マニュアル(大泉書店)」 「人ひとり雇うときに読む本(中経出版)」「顧問先の疑問に答える税理士が知っておきたい人事労務の基礎知識(清文社)」「社会保険労働保険はじめての届出&簡単手続き(技術評論社)」「働く女性のためのパート労働法早わかり(中経出版・監修)」などがある。

代表からのメッセージ

べき思考を自覚してパワハラを予防しましょう

昔と比べると管理職に求められる役割は、多様なマネジメントを求められ、働き方改革、ハラスメントの防止なども含めて幅広く、かつ責任も重くなっています。しかし、時代が変わり、部下へのマネジメントも変化しており、人の上に立つ人には、これまで以上に「思考」と「感情」のマネジメントが必要になってきています。

実は、ハラスメント的な言動は、個々人の「べき思考」がもとで起こることが多いものです。

「べき思考」とは、その人が育って家庭環境や職場環境によって信じ込まれた無意識の思い込み(特に偏った思考)のことで、その思考は人によって異なります。

例えば、子供のころから親に完璧を求められたり、人に嫌われてはいけないと躾られた方は

「何事においても完璧であるべきだ」
「いつも正しくあるべきだ」
「人に好かれるべきだ」

という「べき思考」に影響を受けている場合があります。

また、別の例を上げますと

「長時間労働すべきだ」
「子育てや家庭より仕事を最優先すべきだ」
「女性は外で仕事をするのではなく家庭を守るべきだ」

という「べき思考」も該当してきます。

ご存じのように、現在は働き方改革や人口減少、少子高齢化などの環境の変化もあり、新しい考え方、新しいやり方を求められています。


しかし、そう簡単に、これまで信じていた思考をバッサリと捨てることは簡単ではありません。

したがって、「べき思考」の影響によって発生するマイナスの感情を自己コントロールができず、結果としてパワハラ的な言動をしてしまう、、、ということが起きるのです。

私は、これまでパワハラなどのハラスメントのご相談を受けてきましたが、パワハラ行為者の方の特徴として、会社の中核を担い、仕事に厳しく、一生懸命でまじめな管理職の方も多くいらっしゃると感じています。おそらく、パワハラ行為者の方の中には、

「仕事を最優先で考えるべきだ」
「幹部社員は難しい仕事を率先してやるべきだ」
「仕事とはこうあるべきだ」

という「べき思考」を持っていて、その影響から発生する思考と感情をコントロールできず、パワハラ的な言動になってしまったのではないかと感じます。
※これはあくまで私の個人的な主観に基づいた見解です。

このような話をすると、まるで「べき思考」はパワハラの原因であり、悪い思考であるという認識を持たれるかもしれませんが、決してその思考自体が悪いわけではありません。

実際に過去においては「べき思考」のもとになる思考があることで、うまくいったことも多々あったはずです。パワハラ行為者の方においても、仕事に対する熱い思いや「こうすべき」という思考があったからこそ、これまでうまくいったことやプラスに働いたことも多々あったことと思います。

だからこそ「べき思考」に本人が囚われてしまうという悪循環にも陥ってしまうのですが、決して「こうすべき」という思考を持つこと自体を嫌ったり、責めたりする必要はなく、このような思考を自分が持っていて、かつ、この思考に影響を受けている、影響を受けやすいということを自覚しつつ、共存していくことが必要なのです。

自分が影響を受けやすい思考を自覚できていると、カッとしてハラスメント的な言動をとってしまいそうになったときに、自覚して反応しないようにコントロールすることが、少しずつ可能になります。
また、あわせて「べき思考」と連動して湧き上がってくる「感情」も、自己観察してコントロールするスキルの習得も必要です。

実は、ハラスメント的な言葉を言ってしまう場合は、感情的に反応して自分で言動を選択できていないときが多いものです。特にパワハラは「かっ」として感情的になって発した言葉が多く、アンガーマネジメントなども現在広がってきていますが、「怒り」だけに限らず、自己の感情を自己観察するスキルを身につけることが大事です。

ハラスメントの防止に取り組むことは、職場のコミュニケーションの活性化はもちろんのこと、自分の価値観を知り、また、あわせて他人の価値観を知り受け止めるという、まさに多様性を受け入れるということにもつながります。

自分の影響を受けている思考を知る、ということは、自分の内面と向き合い、自分の感情コントロールというところにもつながりますので、単なるハラスメント防止というよりは、自己統制力を身につけるトレーニングといってもよいのかもしれません。

弊社のハラスメント防止プログラムでは、「べき思考」に影響された自分が陥りがちな思考パターンを知り、「べき思考」の影響を受ける前に、自分で気持ちや思考をリセットし、自分で言動を選択できるようになること、そして相手を尊重しながら自分の要求を率直に伝えるアサーティブコミュニケーションを身につける 【労務】と【コミュニケーション】 の両面から取り組む弊社オリジナルのプログラムとなっております。

最近では、ハラスメント研修だけにとどまらずに、管理職の方向けに、自己の思考と感情のマネジメントを行いパワハラ的な言動を予防することを目的とした「行為者向け個別プログラム」をお願いしたい、というご相談も増えてきております。

今一歩踏み込んだハラスメント対策、そして管理職のマネジメント力の強化をお考えの方は、ぜひ弊社のハラスメント防止プログラムをご検討ください。全力でサポートさせていただきます。