アサーティブコミュニケーションとは

ハラスメント的な言動をするもう1つの背景とは

自身の「べき思考」に反する人や出来事に遭遇すると、思考と感情が一体化して無意識に感情的にふるまってしまい、そのような言動がハラスメントになるケースがあります。なぜ、このようなハラスメント的な言動をするのか、というと、実は感情的にふるまうことで相手を変えたいという思いが隠されているからです。

例えば部下がミスをしたときに、カッとして怒鳴ってしまったときなど、怒鳴ることで「部下を変えたい」「部下に言うことをきかせたい」というケースがあてはまります。そこで、感情はいったん脇においておき(感情の自己観察)、感情とは別に自分が本来相手に望んでいる要求を明確にします。そして、その上で、自分の要求を、相手を尊重しながら伝えていく必要があります。

日本の文化では、どちらかというと協調性が優先され、自己主張することはあまりよくないことである、という認識が強いのですが、自己主張することが問題なのではなく、自己主張の方法、コミュニケーションの取り方に問題があるケースがほとんどです。

そこで、弊社では、相手を尊重しながら自己主張する「アサーティブコミュニケーション」を実践できるスキルを身につけ組織における「心理的安全性(恐れなく自分の考え方や感情を言うことができる状態)」を確保しよう、というご提案をしています。

アサーティブコミュニケーションとは

アサーティブコミュニケーションとは、相手の自尊心を傷つけることなく、自分の言いたいことを伝えるという態度やコミュニケーションスキルのことを言います。別の言葉で言い換えますと、自分と相手をお互いに尊重しながら自分の言いたいことを伝える態度やコミュニケーションスキルのことです。

例えば部下がミスをしたときに、カッとして怒鳴ってしまったときなど、怒鳴ることで「部下を変えたい」「部下に言うことをきかせたい」というケースを見てみましょう。

この場合、上司は、部下に本来望んでいる要求があります。例えば、

「部下にミスをしてほしくない。」
「部下に仕事をスムーズに遂行してほしい。」
「部下に成長してほしい。」

という要求があるかもしれません。そこで、感情はいったん脇においておき(感情の自己観察)、感情とは別に自分が本来相手に望んでいる要求を、相手を尊重しながら伝えていくこと、これがアサーティブコミュニケーションです。トレーニングによって、アサーティブコミュニケーションを実践することが可能ですが、慣れるまでは、要求をどのように伝えられるとよいか、事前にシナリオを作っておくと効果的でしょう。

例えば先程のケースでは、

「〇〇さんがした、この行動はミスに該当します。」
「この行動は、今後△△のように改善して下さい。」
「〇〇さんにミスをされると、私はとてもガッカリします。」

のように、感情的に怒鳴って部下を変えようとするのではなく、上司としての要求を明確にした上で部下にアサーティブに伝えるということを目指します。

アサーティブコミュニケーション研修