4.過去の常識や価値観による思考パターンとは

ハラスメント的な言動を引き起こす背景となる、過去の常識や価値観による思考パターンとは、具体的には次のような思考があります。

(1)性別役割分担意識

男性は外で働き女性は家庭を守るという考え方。女性だからこの仕事は無理だという考え方。
(例:お茶くみなどの細やかな仕事は女性のほうが向いている、男性社員は育児休業をとるべきではないと思うなど)

(2)長時間労働ありきの働き方

長時間労働することが前提だという考え方。長時間労働ができない立場の人(妊娠、出産、子育て中の人)は仕事を任せることができないという考え方。
(例:仕事上必要であるならば、深夜や休日も連絡をとるべきだ、育児休業中の社員に対してプロ意識が足りないと思うなど)

(3)指示命令型マネジメント

部下には厳しくすべき、部下の行動をコントロールするべきという考え方。何をおいても組織と仕事を最優先すべきという考え方。
(例:仕事であればどんなに厳しいノルマであっても達成すべきだ、仕事は自分で盗み取って覚えるべきだなど)

(4)協調性の重視

相手の考えていることを察して動くべきという考え方。協調性を重視するため、個性の主張、自己主張を好まない職場環境など。
(例:職場では会社の意向が最優先であるので自己主張すべきでない、協調性がない人とは話をしたくない、など)

このような考え方は、長い間浸透しており、以前はこのような考え方に基づいて働くことで成果がでていた時代がありました。したがって、このような考え方で成果を手に入れてきた人からすると「長時間労働すべきだ」「子育てや家庭より仕事を最優先すべきだ」という思考に対する確信度が強くなります。

するとこのような考え方に反する人や考え方に遭遇した際に、無意識に「長時間労働すべきだ」「子育てや家庭より仕事を最優先すべきだ」と反応し、結果として感情的でハラスメント的な言動をしてしまいます。

したがって、ハラスメント的な言動を防ぐためには、まずはこのような思考パターンがあって、私たちはこの思考パターンに影響を受けているということを自覚した上で、新しい考え方ややり方を身につけていく必要があります。