ハラスメントの種類とパワハラについて
ハラスメントの種類
ハラスメントとは、いわゆる「嫌がらせ」のことをいい、特定・不特定多数を問わず相手に対し、意図的に不快にさせることや、実質的な損害を与えるなどモラルのない行為のことをいいます。
職場におけるハラスメントの種類には、セクシャルハラスメント(セクハラ)、パワーハラスメント(パワハラ)を中心に、マタニティ・ハラスメント(マタハラ)や、パタ二ティ・ハラスメント(パタハラ)、モラル・ハラスメント(モラハラ)、シルバー・ハラスメント(シルハラ)など、時代と共に増加傾向にあります。
ハラスメントを行う側は、ハラスメントであるという自覚なくその行為を行うことが多くあるため、まずは、どのような行為がハラスメントに該当するのかを、社内で共通認識を持つ必要があります。
種類 | 特徴 |
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セクシャル・ハラスメント (セクハラ) | 職場において、従業員の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否するなどの対応により嫌がらせを受けること。 |
パワー・ハラスメント (パワハラ) | 職場において、職権などのパワーを背景にして、本来の業務を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動のこと。 |
マタニティ・ハラスメント (マタハラ) | 働く女性に対して妊娠・出産を理由に退職、賃金引き下げ、降格などの不利益な取扱いをすること。 |
パタニティ・ハラスメント (パタハラ) | 男性が育児休業の取得等、父性を発揮することを妨げる言動や不利益な取扱いをすること。 |
シルバー・ハラスメント (シルハラ) | 高齢者に対する身体的・精神的嫌がらせのこと。 |
スメル・ハラスメント (スメハラ) | 体臭や口臭など臭いによって周囲に不快感を与えること。女性の強い香水の臭いや高齢者の加齢臭なども対象。 |
パワハラの種類について
パワハラとは、職場において職権などのパワーを背景にして、本来の業務を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動のことをいいます。パワハラは次の6つの類型に分かれています。
種類 | 特徴 | 事例 |
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暴行・障害 | 身体的な攻撃 | 足で蹴られる。胸ぐらをつかむ。髪を引っ張る。火のついたタバコを投げる。物を投げられる |
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言 | 精神的な攻撃 | 皆の前で大声で叱られたり責められたりする。ミスを皆の前で大声で言われる。人格を否定されるようなことを言われる。 |
隔離・仲間外し・無視 | 人間関係からの切り離し | 挨拶をしても無視される。話しかけても答えてくれない。「●●さんの手伝いはするな」と言われる。 |
業務上明らかに不要なことや 遂行不可能なことの強制、仕事の妨害 | 過大な要求 | 終業間際に過大な仕事を毎回押しつける。休日出勤しても終わらない業務の強要。 1人では無理な仕事を1人でやらせる。 |
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと | 過小な要求 | 他の社員に聞こえるように程度の低い仕事を名指しで命じる。営業職なのに買い物、倉庫整理などを必要以上に強要される。営業なのに草むしりをさせられる。 |
私的なことに過度に立ち入ること | 個の侵害 | 交際相手の有無について聞かれ、過度に結婚を推奨する。個人の宗教を皆の前で言われて否定、悪口を言う。 |
パワハラと判断される基準とは
例えば、部下がミスをした際に、仕事に厳しい上司が「何度も同じ事を言わせるな」「こんなこともわからないのか」と叱責した場合、パワハラに該当するのでしょうか。
上司が厳しく叱ったからすぐにパワハラに該当するというわけではありませんが、ケースに応じてはパワハラと判断される可能性もあります。
パワハラと判断される基準は3つあり、1つは、【仕事上の優越的な関係に基づいて行われた】こと。次に、【業務の適正な範囲を超えて行われた】こと。そして最後に、【身体的もしくは精神的な苦痛を与えることまたは就業環境を害している】ということです。この3つの基準を満たす場合は、パワハラと判断されますので、注意が必要しなければなりません。